生活保護の母子家庭に育つ 奨学金選考に漏れ続けても諦めなかった夢

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北沢祐生
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 ほぼ毎日朝5時に起き、アルバイトのためコンビニに向かう。日中は授業を受け、帰宅するのは夜の9時。体力的にしんどくないことはない。それでも、大学に進み、好きなことを学べている。そんな今は、充実感にあふれている。

 新潟大法学部1年の女子学生(19)は、生活保護を受給する母子家庭に生まれた。小学生の頃から成績優秀。周囲の助けもあり、中高一貫校に進んだ。

 進学した高校で現実を思い知らされた。「君の家の経済状況だと大学進学はできない。諦めた方がいい」と教員から言われた。

 1年生の冬に中退し、通信制の高校に入った。うつ病の母を支えるためがんばってバイトしよう。そう言い聞かせた。

「自分は幸せ。一心に学べている」

 でも、どこかで大学を諦めたくない自分もいた。いろいろな団体に奨学金を申し込んだが、選考から漏れ続けた。

 面接で言われた忘れられない言葉がある。「貧困は連鎖する。生活保護を受給している世帯の子どもでは奨学金は返ってこないし、中退されても困る」。心に突き刺さった。

 それでも諦めなかった。

 3年生だった昨夏、転機が訪…

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2023年11月13日17時14分 投稿
    【提案】

    【大人はなにをしているのか】 女子学生の話を読み、胸がいっぱいになります。 まず、それでも諦めなかった、というその姿勢に感銘しました。 しかし、同時に怒りも感じました。 >「君の家の経済状況だと大学進学はできない。諦めた方がいい

    …続きを読む